9月24日
前日23日の夕方頃に
明日24日昼頃に母の一時帰宅が叶ったと親父から告げられる
喜ばしい事だけど、もっと早く伝えて欲しかったな.........
急ぎ掃除しないと
今までも、だいたい3日に1度はダイニング絨毯の掃除機がけとフローリングの拭き掃除を行っていたが
明日、免疫力が弱った母が一時帰宅するとなると
これまで以上に埃や塵などを除去しないとだからな
脱衣所の手ふきタオルも便所のタオルも新しいのに交換しないと
などと夜メシつくった後にバタバタと深夜まで家中をアレして回っていたが
親父は夜メシ後に自室に篭ってパソコンカタカタしているだけ
なんなんだろうな
ほんと おまえって なんなんだろうな
もう2ヶ月近くだぞ
やっと2ヶ月近く経って
やっとやっと母の一時帰宅が叶ったんだぞ
母の為に家を綺麗な環境にして迎え入れてやりたいなどとは
ひとつも思わないのかな?
愚かだ.........
実に愚かしい生き物よな おまえは
おまえは母の事を心配しているつもりの自分が可哀想なだけだよ
いつもいつも自分中心、人使いの経営者目線
自分の仕事は大仕事、俺や母の仕事・労力は小さいものと考えているのかな?
家事など金にならない事はしないでいいと考えているのかな?
金さえ稼いで支払っていれば自分が一番偉いと考えているのかな?
あーあ........
おまえなあ..........
俺がなあ
もし三国志のカンウだったら
おのれ、ちょっといいかな?
つって
汚れないように庭に誘い出して
スッ! と背中に背負っていた
青龍偃月刀を抜いて
『 この外道めが! 去ねぇえええええい! 』
つってスパッ! と、やっちゃいたい気分だよ
俺はなあ!
いい子ぶってるんじゃねえんだよ!
いい子ぶる年齢じゃねえんだよ!
母が大切だから好きだからやってあげたいんだよ!
おまえはどうなんだ! 自分の妻だろうが!
考えろ! もっとよく考えてみろ甘ちゃんの腑抜け野郎が!
腐れハゲが!
もっと禿げ上がれ!
もっと禿げ上がって頭蓋骨までスケルトンになって脳味噌見せてみろや!
どんだけ萎縮しているか確かめてやりたいよボケが!
ということで
24日
親父とパイポー君は現☆場に出て
俺は母の送り迎え担当として休みとなった
俺を現☆場に出さずに帰宅後の母の面倒を見られるようにしてくれたのは
親父なりの優しさと取ったけど
それだけじゃ全然足りないし違うんだよな
もっと違う形で自分自身で母に優しさを見せてやれよと思っているんだよな
ということで
前日は、なんやかんや、午前3時頃に寝たんだけど
午前7時40分頃にパッ!と目が覚めた
なんじゃこれ5時間ほどしか寝てないから寝覚めなんか悪い筈なのに
朝から俄然ヤル気モードにスイッチ入ってるんだよな
なるほど
それだったら、お久しぶりの朝からお天気ですし
今までの雨でたまっていた洗濯物と箪笥の中の秋物洋服も纏めて洗濯して干したろう
ということで
親父には面倒臭いから朝メシ目玉焼きひとつ出してから見送り
その後、洗濯、脱衣所の掃除、和室のテーブルに盛られたままの衣類などを片付けた
他にも便所の隅っことか色々とアレしてたが
まだ午前11時か
母を迎えに行くのは12時30分 こんなにも母の帰宅が待ち遠しいと思ったのは初めてだった
ということで
約束通り病院に12時30分に母をお迎えにあがる
母の病室まで歩く足が弾むような感覚だった
そうしてから
母がナース☆センターに一時帰宅の届出を出してくると言うので
そこまで一緒にトコトコ歩いているとき
入院前よりも母が小さくなっている事に気づいた
並んで歩いていると違和感を感じるくらい小さくなった
ステロイド投薬治療でムーンフェイスだし体も全体が浮腫んで体重などは入院前よりも増加しているのに
それなのに、こんなに母は小さかったっけ......... と、感じるくらい
ナース☆センターに届出を出している母の後姿
提出する書類が小刻みにブルブルと震えているのが見えた
強い薬のせいで指先がブルブル震えるみたいだ
眉間が熱くなったけど耐えるのさ男ならということだった
ということで
2ヶ月振りに母は自宅の玄関を潜って戻ってきた
母は庭先に干されている洗濯物の量を見て
『 あらまあ、沢山干してあるねえ 』
と、笑った
ずっと雨が続いたからね
やっと干せる天気だし、秋モノの長袖なども序に洗濯したんぞ
ということで
暫くのうち母と談笑してから
買い物する必要はなかったけど
買い物に行って来るから欲しい物・食べてもいい物はあるか? と、聞いたら
お刺身が食べたいと言ったので
ああ、それだったら冷蔵庫にハマチの柵があるぞ
一昨日のだから ちょっと味はアレかもしれないが
つうと
それでいいと言うので
お刺身に切って出したった
母は、美味しい、美味しいと言って食べた
そうかあ? 一昨日のだから鮮度とかアレじゃない?
ということで
自分も台所で食べてみたら
やっぱり鮮度がアレで ちっとも美味しいモノではなかった
母は嘘をついたな
親父からは絶対に出てこない人を気遣う優しい嘘をついたな
なんだよバカヤロウと心の中で思った
それでは近所のスーパーマーケッツまで買い物に行てきます
他に食べたいモノないか?
と、聞くと
蜜柑の缶詰が食べたいと言う
そんなモノだけでいいのか? それよか食事制限で果物系は駄目なんじゃないのか?
と、聞くと
缶詰のようにシロップ漬けのモノなら大丈夫らしい
ということで
序にサイダーも購入して
自宅に戻ってから蜜柑のシロップ漬けにサイダーを混ぜて出したったが
『 あ! 炭酸は飲んだら駄目なの! 』
つわれた
まじでか! よかった....... 全部にサイダー混ぜないで........
ほんと色々と難しい食事制限がありよるなあ
ということで
食後に母が三味線をケースから出し始めたので
なになに? 三味線弾くんじゃないだろうな? やめとけや握力も弱くなってるだろ?
ということなんだけど
母が心配していたのは三味線に張られた皮の事だった
ケースに仕舞いっ放しで夏の間の高温と湿気で皮が破れていないかを確認したかったみたいだ
見事に破れていた
俺は三味線の事はよく知らないが
ギターなんかでも夏の高温と湿気は御法度で
ネックが反っちゃって駄目になるのは知っていたから
たまに三味線もケースから取り出して外気に当てたほうがいいのかな? とは思っていたけど
まさか、こんな風に皮が裂けるなんて知らんかったよ
母は 『 やっぱり....... 』と、一瞬残念そうな顔をしたが
また張り直して貰うから大丈夫よ
と、笑った
くそ
なんだよ
頑張れよ三味線よお こんな時くらい裂けるの我慢したれよ と、思った
その後も
お茶飲むか? 小さい毛布でも腹にかけるか?
などと出来る限り母に快適に居て貰おうとしたが
あまり気を遣い過ぎるのも逆にアレだろうな
ということで
午後3時頃に母が横になってウトウトとしてきたように見えたので
そんじゃ、また、ちょっと買い物行てくるわ
ほら、風呂掃除で腰に負担が掛からないような掃除道具とか物色してくるから
2時間後くらいに戻るよ
つって
母を残して自宅を出た
やっと自分の巣とも言える落ち着ける家に一時帰宅だけど戻ってきたんだもの
母ひとりで2時間くらい安心して眠って貰いたかったのよね
ということで
3プラントからキシヤマまでブラブラと物色して回ってきた うろこ雲出てるわ秋よなあ
ということで
2時間後に自宅に戻ってきたら
庭に洗濯物がない!
おい! アホが! まじかよ!
寝てりゃいいんだよ........ おかあさんのアホ..........
重たいジーパンも秋冬モノの裏地起毛のジャケットも全部の洗濯物取り込みやがった母のアホが
手がブルブル震えているのに
足だって浮腫んで辛いだろうに
病室からエレベーター使って車までほんの少し歩いただけなのに
息を切らしていた母のアホが
なんで洗濯物取り込んだりするんだよアホなのかよ
後で気づいたけど台所の ここのところも
今まで無残にガチャガチャに食器類が積み重なっていて
その上に水切りタオルとか重ねてあって放置ゾーンになっていたのに
ちゃんとまた上から食器類を積めるように整理されていた
俺が外出している間に、ちっとも寝てなかったんじゃないか? おかあさんよ.........
なんだよもう
こんな時くらい甘えたらいいのによ
くそったれ もう限界のことよ
ちょっと鼻水かんで顔洗うしかねえなバカヤロウが
ということで
午後1時から午後6時までの母の短い一時帰宅は終わった
死なないのなら親父の血は俺の体から全部抜いてくれても構わないんだけど
母の血が俺の中に流れている事を嬉しく思う
今の母はお医者さんにしか助ける事は出来ないが
それでも、死なせんぞ、死なせてなるものかと強く思う
親孝行つうのをさせて欲しいんよ
頼むぞお医者さんまじで頼むぞという気持ちのことこのうえない。