8月2日





前から谷瀧寺の駐車場から見える

ここの店が気になっていたのな

みーしゃ？　さんさ？

なんて読むのか分からんけれど
 


まるで火事にでも遭ったような看板だけど

お茶漬とお好み焼の店らしいんだよな

ですから

この日

勇気を出して入店してみたんよな

もう、玄関引き戸の向こうからﾛｰｶﾙ臭が半端ないんよな

 

外からでも

常連客の下衆っぽい笑い声が聞こえていたので

ある程度の覚悟はして入ったんだけど

やっぱり常連さんが2人で酒盛りしてた

ふふふ

どっちも お茶漬 お好み焼 食べてないじゃない！

なんか刺身とか焼き魚とかを突っつきながら瓶ﾋﾞｰﾙ飲んでた

ど、どこにそんなﾒﾆｭｰあるんだよ？

と、思いましたので

店内を見回してみたら

いちおうｻｲﾄﾞﾒﾆｭｰみたいなのが書かれたﾎﾞｰﾄﾞがあった



でも

外の看板ではお茶漬とお好み焼の専門店みたいなアレだったし

とりあえず

お好み焼ミックス800円のﾔﾂを注文した




そうすると

女店主がお好み焼の用意をしだしたんだけど

常連客から野次が飛んできた


『 おいおいママ 』

『 ちゃんと焼けるかぁ～？ 』

『 お客さんの前に衝立(ついたて)あったほうがいいんじゃないの？(笑 』


ちょっとまてよ.......

外の看板にお茶漬お好み焼って書いてあったんだけど.........

もしかしてお好み焼が注文されるのって久しぶりの事なのかな...........

ひええ

この際、味とかはもうどうでもいいから

食中毒だけは勘弁な

くそっ　子バエが2匹飛んでるなぁ

ふっ！　ふうっ！

と、ｶｳﾝﾀｰ席で子バエを追い払っていると



女店主が


『 そういう事はお客さんが帰ってから言って！ 』


と、常連らしき2人組にﾌﾟﾝﾌﾟﾝである



いやいや

お客さんが帰った後でも

そんな事を言われちゃ駄目だろ？

えへへ

この店、大丈夫なのかなぁ






ということで

けっこう時間が掛かってお好み焼のミックスが出てきた

なんかテレビを観ている合間に

ﾁﾗﾁﾗと焼いてるの見てたけど

ちゃんと鉄板の上で蓋を被せて蒸すような技術もアレしていたので

そこそこの時間が掛かったようだ






ということで

目の前に置かれたお好み焼のミックスを

恐る恐る口に運んでみると

あれ？　まあまあ美味いのかな？

うん、うん

まあまあ美味いよこれ

量もなかなかありますし

と

ﾓｸﾞﾓｸﾞ食べていると






引き戸がｶﾞﾗｶﾞﾗｯ！と開いた

そして


『 ママぁ～、どこぞ行く序にちょっと口説きにきたょぉ～ん！ 』


ひゃああ

俺が恐れていた事が現実に！

この男にしては少し高音の声とその発言は

確実に常連の人間であり

さらにその常連の中でもお調子者と呼ばれる部類の人だ






ということで

そのお調子者っぽい人が入ってきてから数分後

ママのおっぱいの話で盛り上がりだした

そう、そうすると俺は気まずい

話の内容的には

こんな感じだった




『 相変わらずママのおっぱいは大きいなぁ！ 』


『 なんだ？ ｵﾏｴはママのおっぱい揉んだ事あるのか？ 』


『 揉んだ事なんかねえよ！ ほら、アレ(たぶん旦那)がｳﾙｾｴからよお 』


『 それにしてもママのおっぱいは........ 』




俺はその会話を聞きながら

こう思った

ママのおっぱい

おまえらママのおっぱいママのおっぱい五月蝿いけど

どう見てもママさん50代後半なんだよな

そりゃあ昔は美人だったのかも知れないけれど

いい加減に年を考えて欲情するのは止めたほうがいいんじゃないか？

まあ、冗談だとは思うけど

なにより

ｶｳﾝﾀｰ席で年老いたママさんのおっぱい話を聞かされる俺の気持ちも考えて欲しいの

と、少し目線を上げてしまうと

残念ながらママさんと目が合った

なんという気まずさ...........



おっぱいママ(50代後半)　『 そういう話は！ お客さんが居ないときにして！ 』



俺　　『 いえ！ どうぞ！ お構いなく！ 』　(精一杯の笑顔で)







ということで

お勘定を済ませて

後ろ手で引き戸を閉めた時に

『 こんな店！ 2度とくるかっ！ 塩もってこい塩っ！ 』

と、思ったりしたけど

実は結構楽しかったりした

今度はお茶漬のほうを食べにきてみようかな？

お魚とかも頼んでみたら美味しいかも知れない

ということで

こういうのも、まあ、ひと夏の冒険みたいなアレで

アレなんじゃないでしょうか。