6月2日
ｵｯｼﾏｰ探索から無事に帰還を果たした俺だけど
港に戻ってみたらシロクンは相変わらず ぐうたら していた
まだ ぐうたら してたのかシロクン
つまんねえ猫だな～
と、思いつつも
猫なんかこの高密度な毛皮ですし
きっと人間に比べたら3倍ほど暑いんだろうな
そっとして置いてあげよう
ということで
シロクンの周囲に色々とモノを置いて遊んでいると
むっ！ なんだか空が騒がしい
鳥どもが騒いでおる
この感じ・・・ 来る！
手にﾊﾞｹﾂを持った漁師さんが！
俺は ぐうたら のシロクンをその場に置き去りにして
漁師さんが向かった短突堤へと急いだ
漁師さんは短突堤の手前の
赤四角の部分に何かを捨ててから
そのまま短突堤まで移動し
ﾊﾞｹﾂから手掴みで突堤の地面に魚を撒きだした
それをﾄﾝﾋﾞやｶﾓﾒなどが攫っていく
そして
ﾊﾞｹﾂの中の残りは波消しの隙間に流された
俺はその
赤四角の手前に陣取って
さもデジカメ弄ってるだけですよ
港の景色を撮りに来た観光客の一人ですよという風を装った
そしてから
横目でﾁﾗｯと盗み見すると
なにかのお魚の頭とお魚のワタかな？
しかし
なんでコレだけ短突堤に投げずに
ここに捨てていったのだろう？
俺が推測するに
たぶんﾄﾝﾋﾞとか大型の鳥に競り負けるｶﾓﾒさんの為に
こうやって少し短突堤から離れた場所に置いたのだろう
漁師さんは海鳥に優しい
きっと漁場では鳥山などを目印にしてアレする事も多いだろうから
海鳥に優しいのだろう
それにしても
このお魚は誰だろう？
ﾊﾟｯと見で胸ビレが長い子ザメかなんかかと思ったけど
これはトビウオじゃあるまいか？
つってたら
遅れてシロクン登場
つうか
おそい！ 遅過ぎるよシロクン！
なんで人間の俺のほうが早く気づくのよシロクン・・・
鳥が騒ぎ出したら豪華ﾒｼって
港の猫にとったら常識なんじゃないの？
おまえは何の為に港を縄張りにしているのかシロクン・・・
だからシロクンはアホ猫って言われるんだよ・・・
つってたら
シロクンは先にお魚のワタをﾍﾟﾛﾘといった
なんでも内臓が一番栄養価が高いらしいので
猫にとったらお魚のワタとか大好物なんじゃないだろうか？
ということで
次にトビウオの頭にカブリつくシロクン
むう！ シロクン！
トビウオの羽の部分をそうやって！ 貴様！ さてはトビウオ食べ慣れているな！
この猫野郎、俺のお蔭なのにｼｬﾘｼｬﾘ美味そうな音立てて食いやがる
目玉も残さず綺麗に食べちゃった
そりゃあ確かに生のお魚の頭部にガブリつくシロクンの姿は少しｸﾞﾛｲものがあったけど
これが港で生きる野良猫の真実のアレだ
逞しい港野良猫の生態を垣間見られて俺は嬉しかった
つってたら
最初から腹いっぱいの感があったシロクンだけど
そこに追いトビウオまで追加されたので
なんか体が重そうな足取りで
短突堤の中間までﾄｺﾄｺ歩いていった
そして
なんかﾆｬｰﾆｬｰ言って俺を呼ぶのだ
分かる・・・ 分かるぞシロクン・・・
挑戦せよ！ と、言っているのだな
もう一度、挑戦せよ！ と、言っているのだな！
この波消しアンモナイトに！
ようし！ 見とけよシロクン！
そりゃああああああ
でりゃりゃああああああ
ふぬーーーーーーーーーううううう
うおおおおおおお きええええええええええええ
ふなぁぁあああああああん！
いてえ・・・ いてえよお・・・ 指の腹が凹んじゃったよう・・・・・・
シロクン、俺のチカラじゃ無理だったよ・・・・・
ｵｯｼﾏｰ探索で体力さえ削られてなかったら・・・
波消しアンモナイトなんて余裕だったんだぜ・・・・
ほら、まだ6月だしよ
これから先に何度でも挑戦できる機会はあるから
いつか波消しアンモナイトぶっ殺してやるよ！ 最初から中身は死んでるけどよ！
今年の夏中にケリはつけてやるよ！
ということで
今日も港でシロクンと楽しく平和に過ごせたので楽しかった。
